『法廷通訳』 − 司法に関する通訳の展望 −
松村 弘 著 国際通訳株式会社

≪本の紹介≫
法廷通訳という仕事について、わかりやすく紹介。法廷通訳人の
活躍する世界を通して日本や世界の現状を見つめ、自分は世界と
どう関わってゆくのか、各々が考える機会を持つという意味で、
法廷通訳のプロを目指す人達だけでなく、一般の方々にも是非
読んで頂きたい。 様々な言語の通訳人が独自の視点で語った、
現場からの貴重なメッセージである。
- 目次 -
【人権・通訳に関するメモ】 (抜粋)
◆ 人権について
世界人権宣言 第10条
国際人権規約 (市民的及び政治的権利に関する国際規約)
◆ 通訳について
裁判所法 第74条
刑事訴訟法 第175条、第177条
民事訴訟法 第154条
第一章 司法に関する通訳の展望
一、 外国人犯罪の現状と通訳の需要
● 外国人犯罪の現状
● 法廷通訳人が携わる仕事の場と形態
二、法廷通訳人認定制度
● 法的な認定制度がないことに起因する問題
● なぜ今まで法廷通訳人制度がなかったのか
● 外国の法廷通訳人制度
● どうなる 日本の法廷通訳人制度
第二章 インタビュー
第一線で活躍する通訳人からのアドバイス
● 法廷通訳の展望
● 通訳人に求められること ― 通訳人としての資質
● もしも通訳が悪かったら・・・
● 通訳人はどの程度まで法に精通しているべきか
● 通訳人の責任の範囲と仕事の限界 (透明人間という意味)
● 言葉のない部分の通訳
● 文化や背景を訳す難しさ
● 通訳人になるための勉強法
● 国際的な協力
● 通訳人としての辛さとやりがい
第三章 通訳人になるための基礎訓練
● 通訳付き裁判を傍聴しよう
● 法廷通訳人養成講座
● 法廷通訳ドリル
● 薬物に関する基礎知識
初心者のための各種資料
● 全国の主要な裁判所
● 法廷での位置関係の図
● 法廷通訳に役立つホームページのURL
● 法廷通訳人を目指す人のための参考図書
読者への言葉 田中 豊 現弁護士 (元最高検察庁検事・公証人・大学講師)
〜 『法廷通訳』 前書きより 〜
法廷通訳とはどんな仕事だろう。努力すれば私も法廷通訳人になれるだろうか。
そんな風にお考えの方に、ぜひこの本を読んで頂きたいと思います。
(・・・・・・略・・・・・・・)
飛行機に乗って空から地上を見下ろすと、なるほど地図にあるような
国境の線は見えません。けれどもやはり、世界の国々には様々な違いが
あります。文化とともに、価値観も違います。法律に焦点を合わせる時、
国境というものは確実に存在し、その線の引かれ方は時に非情と思われる
ほどに厳格です。
(・・・・・・略・・・・・・・)
人々や情報が世界を自由に行きめぐる新しい時代の到来とともに、国際的な犯罪も
増加しているという事実は、グローバル化の皮肉な一面を示しています。国境の線を
明確にしなければならない場面が以前よりも増えていると考えられるからです。
外国であれば、正式な手続きを踏まずに国境を越えて入国したり滞在したりするだけで
立派な犯罪となってしまいます。法廷通訳が関わるのは、そのような厳しい世界です。
他方、法廷にいる人々は皆、裁く側も裁かれる側も血の通った人間です。
人と人との対話を可能にする仕事、追いつめられた状況にいる人にも言葉が通じる
という安心感を与え、問題が正しい道筋を通って解決へと向かう手助けをするという
役割は、通訳というものの本質的な意味や価値につながっているのではないでしょうか。
(・・・・・・略・・・・・・・)
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